― 六波羅蜜 ―

自分磨き、世を明るくする六つの実践方法

六波羅蜜(ろくはらみつ/ろっぱらみつ)とは、
大乗仏教において菩薩が実践すべき六つの徳目と書かれております。
「六度(ろくど)」とも呼ばれます。

波羅蜜とは
此岸(迷いの世界)から
彼岸(悟りの世界)へ渡る完成行
という意味だそうです。一瞬パニくりますよね。
(パーラミター(pāramitā)」はサンスクリット語
般若心経の般若波羅蜜も同義です。
「智慧(般若)の完成に向かう実践方法」とも言えますし、
六波羅蜜は、
「人としての完成に向かう実践の道」と解釈しています。

※解説の解釈は主観ですのでご容赦ください。


① 布施(ふせ)波羅蜜  = 与える

・財施(物を与える)
・法施(考えを伝える)
・無畏施(安心を与える)
布施は六波羅蜜の最初なのはなぜか。

それは、自分の完成だけでなく、他を救う「利他」があるからです。

八正道が「自己完成」なら、
六波羅蜜は「利他の完成」。

与える人は、光り。
奪う人は、曇る。

仕事で言えば
売上より先に「価値を与える」「理念に向かう姿勢」。
これが最初なのが実に深いです。


② 持戒(じかい)波羅蜜  =言行一致

戒を守るとは、自分との約束を守ること。
これ難しいですよね。(私感)

破戒の反対は「誠実」。

目標や理念を掲げたら、
日々の小さな行動で体現すること。

言葉と行動が一致し、心が伴うことで目標が達成され、人から信頼される気がします。
この話は三密加持にもなっていきます。


③ 忍辱(にんにく)波羅蜜 = 怒りを超える

忍辱は、我慢ではないとお釈迦様は明確に分けたと言われております。
忍辱はするが我慢はしない。
現代の我慢の意味とは少し違います。コラムで先述しているので見ていただけると幸いです。

怒りや批判を受け止め、
それを智慧へ昇華させる力。

お釈迦様は
「忍辱の鎧を着よ」と説かれました。

短気は一瞬で信頼を壊すと。
忍辱は長期で人格を育ると。

これがなかなかの難しさですね。


④ 精進(しょうじん)波羅蜜 =継続する

精進とは気合いではなく、たゆまぬ実践。
現代風に言えば継続は力なりです。

懈怠(けたい)=なまけ心
これが最大の敵。

派手な成果より地道な継続。

水滴石を穿つ、です。


⑤ 禅定(ぜんじょう)波羅蜜 =整える

禅定とは、心の散乱を止めること。
瞑想の良い状態も禅定状態と言います。
心コロコロと心は揺れるもの。

忙しさは外側の現象。
散乱は内側の問題。

静まった心から、導きとなる判断が生まれます。

仕事も指導も、
「整った心」に力が発揮されます。


⑥ 智慧(ちえ)波羅蜜 =見抜く力

六波羅蜜の中で最も肝要なのが智慧(般若)と言われています。

物事の本質を見抜く力。
感情に流されない眼。

布施も持戒も忍辱も精進も禅定も、
すべてはこの智慧を得るための準備と言われております。

知識は情報
智慧は知識を運用する力
知性は運用した智慧を活かす力でしょうか。

高野山大学学長 松長潤慶先生のお言葉より


反対の世界

六波羅蜜の反対を並べるとこうなります。

・慳貪(けち)
・破戒(約束破り)
・瞋恚(怒り)
・懈怠(怠け)
・散乱(落ち着きがない)
・愚痴(ねたみ・うらみ)

この道を進めば、人は孤立します。

しかし逆に、
親切で、誠実で、忍耐強く、努力家で、落ち着きがあり、
学び続ける人は、自然と人が集まる。これが真理です。


なぜ布施が最初なのか

布施は八正道にはありません。

八正道は「自分が悟るための道」。
六波羅蜜は「自分も他人も救う道」。

六波羅蜜は、
世の中を美しくする利他の教えです。

与える人が増えれば、社会は変わります。

だから布施が最初。


最後に

六波羅蜜は宗教概念としてとらえておらず
私は思想として学び入れました。

日常の中で
・誰かに親切にする
・些細な約束を守る
・怒りの処理を上手にする
・継続することの重要性
・揺れる心への問いかけ
・学び続ける力

これらを意識しています。

不幸の行いは簡単で、
幸せの行いは日常で決まる。

だからこそ、実践する価値があります。

それが自分を磨き、
世を明るくする一歩になると信じています。