煩悩

「煩悩は悪いもの」と思われがちですが、
仏教では必ずしも悪とは捉えません。
欲も煩悩のうちでありほぼ同義語です。

さて煩悩とは、心身を悩ませ、乱す感情の動きのことです。

不平不満・愚痴・悪口・文句・欲望、怒り、不安、執着――
イライラ・クヨクヨ
これらは苦しみの原因になります。

しかし同時に、
・食べたい
・眠りたい
・成長したい
・認められたい
・人の役に立ちたい
こうした欲求もまた煩悩の一部です。

煩悩があるからこそ、人間は発展し、挑戦し、文明を築いてきました。
問題は「煩悩そのもの」ではなく、
煩悩に振り回されることととらえることができます。


三毒   煩悩の根本

煩悩のトップ3にあるのが「三毒」です。

  • 貪(とん):もっと欲しいというむさぼり
  • 瞋(しん):思い通りにならない怒り
  • 痴(ち):物事の本質が見えない無知

この三つが心を曇らせます。 貪瞋痴三毒とも言います♪
特に現代では、
物質的欲望や性的欲望を指して「煩悩」と言うことが多いですが、
本来はもっと広い心の揺れ全体を意味しています


なぜ108なのか?

108煩悩と言いますが除夜の鐘が108回の数です。
108個の煩悩は、人間の心の構造にあります。

人には「六根(ろっこん)」があります。

1眼・2耳・3鼻・4舌・5身・6意
(見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる・考える)

これら六つの感覚が外側と接すると、
「六塵(ろくじん)」が発生します。
1色・2声・3香・4味・5触・6法
(視覚・音・匂い・味・触感・心の対象)

そこから感情が湧きます。

その感情は

  • 好(好き)
  • 悪(嫌い)
  • 平(どちらでもない)

さらに

  • 染(煩悩に染まった状態)
  • 浄(清らかな状態)

そして時間軸

  • 過去
  • 現在
  • 未来

これを掛け合わせると、

6(六塵)
× 3(好・悪・平)
× 2(染・浄)
× 3(過去・現在・未来)
108

つまり108とは、
人間の心の全パターンの象徴なのです。


煩悩との向き合い方

仏教は「煩悩を完全に消せ」と説いてないと聞きます。
先ほども述べたように
煩悩は本能でもあり、生命エネルギーでもあります。

大切なのは、

・怒りが出たとき
・欲が出たとき
・嫉妬が出たとき
「今、煩悩が動いている」と気づけるかどうか。

 気づきは浄化の第一歩です。

鐘の音は、
外に響く音ではなく、
内側に気づく音。

煩悩は敵ではありません。
それは、自分の心を映す鏡です。

自分を磨くヒントになれば幸いです。