脳の道|第3回

不安は脳の誤作動である

不安は、悪者ではありません。
そして、自分が弱いから出てくるものでもありません。

結論からお伝えします。

不安とは、脳の安全装置が少し過剰に働いている状態。
ただ、それだけです。


不安の正体|命を守るための先人達が備え付けたもの

私たちのはるか大昔の先祖は、
生き延び、命を守り、次世代へつなぐために生きてきました。

獣に襲われる。
自然災害に見舞われる。
常に危険と隣り合わせの時代。

その中で
「危険を避ける」「リスクを回避する」
この働きを持つ脳が育まれてきたと言われています。

つまり不安とは、
無意識に働く生存のための仕組み
と私は認識しています。


脳は「未来」を守るために不安を作る

脳の本来の役割は、とてもシンプルです。

👉 生き延びること

そのため脳は、常に

  • 危険を探す
  • 失敗を避ける
  • 変化を警戒する

という働きをしています。

だからこそ、不安とは
「やめておこう」
「まだ危ない」
「様子を見よう」
「私には無理」

といったブレーキ信号として現れます。

これは、本来は正常な反応です。

問題は、
危険ではない場面でもブレーキが入り続けてしまうこと。
ここにあります。


不安は「予測の暴走」

不安が強いとき、脳の中では何が起きているのか。

それは、
まだ起きていない未来を、最悪の形で先取りしている状態
です。

  • 失敗したらどうしよう
  • 嫌われたらどうしよう
  • うまくいかなかったらどうしよう

これは現実ではなく、
脳内で勝手に立ち上がった仮説です。

般若心経では
「無罣礙無罣礙(むけいげむけいげ)」
  とらわれるものは何もない、と説かれています。

禅語でも
「幕妄想(まくもうそう)」
  くだらない思い込みや分別に囚われるな
と古来から語られてきました。

そう考えると、
現代を生きる私たちが不安を抱いてしまうのも、
無理のないことだと言えるのかもしれません。


脳は「想像」と「現実」を区別しない

脳は、
想像と現実を区別しません。むしろできないのです。

そのため、想像しただけで

  • 心拍が上がり
  • 筋肉が緊張し
  • 呼吸が浅くなる

という反応が起きます。

結果として身体は、
「今、危険だ」
と勘違いしてしまう。

これが
不安=脳の誤作動
と呼べる理由です。


不安を消そうとしない

ここで大切なことがあります。

不安を消そうとしないこと。

  • 考えないようにする
  • 無理にポジティブに変える
  • 自分を奮い立たせる

これらはすべて、
不安を「敵」にしてしまう対応です。

脳は
「危険信号を無視された」
と感じると、
さらに強い不安を出します。


不安への正しい向き合い方

不安が出たら、こう扱います。

  • 「あ、脳が守ろうとしているな」
  • 「今は誤作動っぽいな」
  • 「ありがとう。でも大丈夫」
  • 「自分ならできるでいる」

これだけでいい。
と、私は考えています。

評価しない。
分析しない。
追い払わない。

すると脳は
「安全が確認できた」
と判断し、自然に静まっていきます。

BIG WINGSで大切にしている
笑顔・余裕・感謝
これは精神論ではなく、
  脳にとっての安全サインです。


身体を動かすと、不安は静まる

不安は
頭で起きているようで、
実は身体の反応です。

だから、考え方を変えるよりも、

  • 深く息を吐く
  • 肩を下げる
  • 足裏を感じる
  • 身体を少し動かす

これだけで、
脳は一気に安心します。

水に入ると落ち着く。
運動後に気持ちが軽くなる。

これは、
脳が「今は安全だ」と理解するからです。


脳の道としてのまとめ

不安がある=ダメ
ではありません。

不安がある=
脳が働いている証拠です。

ただし、その信号が
「今」ではなく
「まだ起きていない未来」
に向いていたら、

それは誤作動。

不安を敵にせず、
身体を通して
「今ここは大丈夫」
を教えてあげる。

これが
脳の道の、不安との付き合い方です。

不安が静まった先に、行動があります。
そして、
行動の先にだけ、現実の変化があります。


余白の一行(締め)

私の好きな言葉に、

今今と今という間に今ぞ無く
今という間に今ぞ過ぎ行く

という道歌があります。

今に生きる。
今を味わう。
今を楽しむ。

それだけで、
脳はもう安心しています。